こんにちは。けーすけつぼひです。
当サイトは写真勢だけでなく多くの人に星空を楽しんでもらいたいという趣旨で記事を書いていますが(ホントかよ)、ちょっと今回はマニアックなネタに走ろうと思います。SONYのα7ユーザーや、α7シリーズに興味がある方以外の方にはあまり関係のない内容かと思いますが、気になる方は最後まで見ていただけたら嬉しいです。
SONY α7シリーズのスターイーター(星喰い)問題について
皆さんはSONY α7シリーズのスターイーター(星喰い)問題について聞いたことありますか?特に天体写真ファンの間で話題になっているのですが、
特定条件下で、小さな光(主に星)がノイズリダクションによって消えてしまうという問題です。
その発生条件というのが、初代αシリーズ(α7,α7S,α7R)とα7Ⅱではバルブモードでの撮影時に、そしてα7SⅡ,α7RⅡ,α7RⅢ(多分α7Ⅲも)においてはバルブモードに加え、4.0秒以上の露光でノイズリダクションが働いてしまいます。これはノイズリダクションをOFFにしても発動します。
詳しい情報については、天文リフレクションズ様のページにて紹介されています。
余談ですが、私がα7Ⅱを購入したのが2017年の8月です。星を撮りたいと思ってカメラを購入しようとしていた私が、購入前にこんな情報が出回ったことで購入をだいぶ躊躇しました。まあ結局購入したのですが、当時Kiss 8xiユーザーだった私はなぜ6dを選択肢に挙げなかったんだろう笑 そんなにミラーレスがほしかったのかな笑
星景写真勢への影響も大きいのか
ただ、私は思うのです。スターイーターを気にするのは、星雲とかを狙う天体写真写真勢であって、地上の風景と絡めて星空を撮る星景写真勢にとってはそこまで大きな問題ではないんじゃないか?と。
星が消えるのは、ごく小さな、それもピクセル等倍しなければ分からないような対象だからです。そりゃあカメラが持つ画素数をフルに引き出すような引き伸ばしを行えば違いがわかってくるとは思いますが、パソコンやスマホの画面で見るくらいならば、スターイーターの影響って分からないんじゃないか?と思うわけです。特にα7Rシリーズのような高画素機においてはなおさらだと思います(逆に低画素機のα7Sシリーズは不安ですが)。
ちなみに以下の写真は、α7Ⅱでバルブ90秒露光した写真です(地上は180秒露光しています。合成です。)。いくつか星が消えているかもしれませんが、私としてはこれくらい写ってくれれば、多少星が消えようが満足してます。
実際に検証してみる
というわけで、実際にどのくらい影響が出るのか検証してみました。ロケーションは、先日紹介させていただきました嬬恋高原のカラマツの丘周辺です。
Jpegで検証してみる
まずは、jpegで検証します。撮影条件は
①ポラリエで追尾
②シャッタースピード30秒 F2.8 ISO1600 焦点距離16mm
③JPEG撮って出し
でバルブ撮影とバルブ非使用の写真を比較することにします。
※ちょっと大きめの画像を使いました。重かったらごめんなさい。
どっちがバルブ撮影したか分かります?下の方が若干明るいのは、下の方が1分ほど夜明けに近い時間帯だからです。バルブ撮影の方が暗くなるなんてことはありません笑
ちなみにバルブ撮影したもの(星が消えているもの)が上です。
正直これだけだとよく分からないので、拡大してみることにします。青枠が拡大領域です。
先ほどと同じように、上がバルブ撮影の写真、下がバルブ非使用のものです。
あ〜 確かにバルブモードの方が星の数が少ないですね!低画素機のα7Sシリーズなどはもっと星の減り方が顕著なのでしょう。
RAWで検証してみる
先ほどのjpeg画像はちょっと暗かったので、先ほどの写真のRAW画像に、Lightroomで露光量+1.00の画像を比較してみます(ついでに自動歪み補正と周辺光量補正も行いました)。上がバルブ撮影のものです。
んーやっぱりぱっと見は気づきにくいですね・・・。先ほどと同じように、一部を拡大します。
先ほどと同じように、上がバルブ撮影の写真、下がバルブ非使用のものです。
やはり等倍で比較すると結構星が消えていることがわかりますね。
結論:確かに数は減る。しかし星景で大事なのは写る星の数じゃない!
同じ撮影条件で比較してみて、今まで曖昧だったスターイーターの影響がなんとなく分かりました。確かに等倍にするとスターイーターの影響というのが出ていることがわかりました。
ただ、お聞きしたいのが、これが原因であなたはα7シリーズの購入をやめますか?手放しますか?ということです。
天体写真を撮られる方にとっては影響は大きいでしょう。あとはプロのような引き伸ばして使用する方。その方達への影響が大きいことは間違いないと思います。しかし、星空を含めた景色、いわゆる星景写真を目的とした撮り方で、スマホやパソコンで観賞する楽しみ方であればほとんど気にならないかと思います(低画素機のα7Sシリーズでも同じことが言える自信はありませんが)。
星景写真において重要なのは、星が一つでも多く写ることではなく、星を含めた地上風景とのバランスや全体の雰囲気だと思っております(そこまで上手くない私が言うのもアレですが・・・)。
下の写真は私のお気に入りの写真ですが、これもバルブを使用している写真です。いくつか星は消えているかもしれませんが、それでも星景写真としてはとても満足しています。(もう少し空の青みを消したかったですが)
α7シリーズの高感度耐性というのは非常に優秀です。スターイーターが発生したとしても、それを十分に補ってくれる描写をしてくれると思います。
しかしながら、星が消えることはまぎれもない事実であり、全く問題ないとは言えない部分もあります。SONYさんの今後の対応を見届けたいと思います。
この記事が、少しでもα7シリーズの購入検討の判断材料になってくれれば幸いです。
では、ここまで読んでいただきありがとうございました。
けーすけつぼひ