こんにちは。けーすけつぼひです。
いつも当ブログをご覧いただいている方はご存知だと思いますが、当ブログは天体観測地の紹介をメインに扱っています。せっかく素晴らしい天体観測地を紹介しても、条件が揃っていなかったら意味がない!
というわけで今回は、満天の星空を見るための方法について紹介していきます。最後まで見ていただけたら嬉しいです。
綺麗な星を見るには!?要素は主に2つ!
星が綺麗に見える要素は、以下のたった2つのことです。
①周りが暗いこと
②空気が澄んでいること
これだけです。たったこれだけを満たせば、満天の星空を見ることができます。周りが暗ければ、小さな明かりの星まで見ることができる。空気が澄んでいれば、はっきりと星を見ることができる。簡単なことですね。
もうひとつあるとするならば、③周りが開けているか です。山や木が近くにたくさんあると、見えるものも隠れてしましますからね。
では、どうやったら①②(とちょっとだけ③も)を満たすことができるか、お伝えしていきます。
STEP1 天体観測する日を決めよう!
まずは天体観測に行く日を決めます。1年のうち、天体観測することに適した日というものが存在します。自分が天体観測に行く日が、星を見ることに適しているのかチェックをしましょう。
月が出ていないか確認する
月が出ているか出ていないかは、①周りが暗いこと という要件を満たすかどうかに大きく関わってきます。月の明るさは強烈です。たとえ細い三日月であっても、地上にはっきりとした影を作ることができます。そのため、月が出ていない新月付近の日を選びましょう。
月の状態を確認するには、以下のページがおすすめです。
新月でなくても、月が出ていない時間帯というものが存在するので、時間帯は以下のページで確認することをお勧めします。
たとえば、2019年の7月7日は新月ではありませんが、東京では22時33分に月が沈むことがわかります。つまり、深夜以降は月が出ていないことになります。基本的に、新月の1週間前は深夜ごろから月がのぼってきます。反対に、新月の1週間後は深夜ごろに月が沈みます。
このことから、新月の前後1週間ほどは、月の影響を受けずに天体観測ができると言えます。
当日の天気を確認する
せっかく月が出ていない日を選んでも、曇っていたり雨が降っていたのでは天体観測ができません。そのため、当日の天気予報をチェックして晴れている場所を探します。
雲の情報を知るなら、こちらのサイトがおすすめです。最大264時間先の雲の様子が分かります。天体観測勢の皆がお世話になっているといっても過言ではありません。
色がついているところは雨予報です。白に近いほど曇天に近く、黒に近いほど晴天に近いです。もちろん、黒の場所を探します。試しに今週末の深夜について見てみましょう。
予報を見ると、太平洋全域が晴天になりそうだということがわかります(画像赤枠)。反対に日本海側は全域で雨が降る可能性が高いことがわかります。
39時間先までなら、より詳細な天気を知ることができます。
STEP2 天体観測する場所を探す
空の状態に問題がないことを確認したら、天体観測する場所を探します。
光害が少ない場所を見つける
先ほど紹介した星が綺麗に見える条件の①周りが暗いこと は月だけでなく街明かりも影響してきます。当然、田舎に行くほど暗く、都会に行くほど明るいです。明るさについては、以下のサイトを参考にすることをお勧めします。
日本各地の光害について解説しているこちらのページもおすすめです。
Light pollution mapを使うと、世界各地の夜空の明るさを調べることができます。
色は明るさを現しています。黒が最も暗く、白が非常に明るいことを示しています。
日本はこのようになっています。札幌、仙台、関東、東海、大阪、北九州の明かりが目立ちますね。
ここで注意していただきたいのが、天体観測自体の光害が小さくても、遠くに都市があると、都市がある方角は明るくなるのでお気を付けください。
例えば、長野県などは暗い場所がありますが、南に静岡や愛知の都市があるため南の空が明るいです。天体観測愛好家、特に天体写真を撮る方々は南の空の暗さというものを重要視します。なぜなら、天の川やオリオン座などの人気の被写体は南東~南~南西の方向に観測されるからです。
例えば徳島県は、南方に大都市がないため、南方の空は非常に暗いです。
天体観測地を探す際は、その場所の暗さだけでなく、周辺の明るさにも気にかけてみましょう。
空気が澄んでいる場所を見つける
空気が澄んでいることは、先ほど紹介した条件の②です。特に標高が高い場所は空気が薄く、澄んでいます。大体標高1000メートルで10%、標高2000メートルで20%薄くなると言われています。
標高については以下のサイトで知ることができます。
また、先ほど紹介しましたLight pollution map でも、検索機能を使うことで標高を知ることができます。
標高の高さというのも結構重要で、特に海や湖に近い場所だと水蒸気が多いため、同じ空の暗さでも標高が高い場所と比べると星が見える数が大きく減ります。例えば、波照間島の写真などを見ると、地平線付近の星の数が非常に少ないことがわかります。
このことを考慮すると、四国の山地や紀伊半島南部が非常に天体観測の条件が整っていると言えます。
空が開けているか調べる
実際に行ってみると、ロケーションの視界が狭いなんてことがよくあるので、事前にGoogle Mapの等高線表示で確認したり、Webサイト等で確認しましょう。
その他覚えておきたいこと!
基本的には、上記のことさえ踏まえていれば満天の星を見ることができますが、更に良い条件を求めるなら、以下のことも把握しておきましょう。
時間帯は0時以降がおすすめ!
日付が変わる時間帯になると、街の明かりが消え始めるため空が暗くなります。また、交通量が少なくなるため空気中の車の排ガス領が少なくなり、空気が綺麗になります。私は月が出ていない限り、必ず深夜0時以降に現地に到着するスケジュールを組みます。
夏よりも冬のほうが綺麗に見える
冬は乾燥するため、夏よりもはっきりと星が見えます。しかしながら、夏は天体観測がしやすい気候だったり(冬の天体観測は想像以上に凍えます)、天の川の観測に適しているので、どちらもおすすめの季節です笑
PM2.5や黄砂には気を付けて!
大気汚染物質や空気のごみも、天体観測の支障になります。できれば以下のサイトでチェックしておきましょう。
前日や前々日に雨が降ると霧が生じるかも
たとえ雲が出ていなくても、霧が発生してしまっては星が見える量が減ってしまいます。霧が出る条件としては、前日や前々日に雨が降っていて、日中の気温との寒暖差が上げしいことです。気を付けてください。
STEP 3 さあ!星を見に出かけよう!
いかがでしたでしょうか。このページを読んでいただいた方は十分わかっていただいたかもしれませんが、いつでもどこでも満天の星を見られるというわけではありません。月が出ていなくて晴れた日がそもそも多くありませんし、光害が少ない場所に行くのも容易ではありません。
しかしながら私たち天体観測勢は、どんな苦労をしてでも満天の星空を見たいと思っています!!それだけの魅力が星空にはあると思っています!!
このページを見て、満天の星空に巡り合える人が一人でも多くなってくれたら嬉しいです。
では、ここまで読んでいただきありがとうございました。
けーすけつぼひ